PADDLE
すべて注文のみです。
ご注文は直接工房へ来ていただいて、お話頂くのがベストです。幾つかあるパドルを試していただくことも出来ます
もしくはまずメイルでお問い合わせくだされば、お返事、ご提案などさせていただきます。ワークショップで自分で作ることも可能です。
●写真:ノースウッドパドル(左2)グリーンランドスタイル(右)
●材質:主にアッシュ、ヒノキ等 ウレタンニス仕上げ
●価格:3−5万円程度
Ash Breeze
メイン州からアレクサンドラ・コノーバさんを迎えてパドル作りのワークショップを行ったことがあります。「魔法のように疲れない」パドルを作る名手で、ウィルダネスガイドとしてもよく知られています。彼女のパドルは古いリバーガイドから、更に遡ればアベナキインディアンから伝わってきたものです。伝統的なノースウッドスタイルで、綺麗な木目のアッシュ材で出来ていて、しなやかに水に馴染みます。そして確かに疲れません。
グリーンランドカヤックを操る人たちは舟をそれぞれの体に合わせて作ります。カヤックの長さは両手を広げた長さの3.5倍、幅は両方の腰に両手の握りこぶしを当てた幅、指の幅から肘の長さまでそれぞれ名前が付いていて、それが製作時のサイズの基本となります。舟はもう体の一部です。
ティンバーラインスモールクラフトで作るパドルは全て完全オーダです。船の推進力として一番重要な役目を果たすパドルですから、漕ぐ人それぞれに合わせ、また使用する舟、環境に合わせて作られるのが理想だと思います。
パドルの性格はブレードの大きさや形、ステムの長さによって変わりますが、私たちはパドルの弾性を重視しています。適当な弾性を持っているパドルは、漕いだ時少し曲がることで水の力を吸収し、力が肘に直接かからないようにします。そして曲がったパドルが戻るときに力をリリースすることで、より効果的な推進力が得られます。疲れにくいパドルはしなやかな弾性を備えています。
ドラムサンダーなどの機械を使えば、かなり効率よく早く制作することが出来るかもしれません。機械に慣れさえすれば、仕上がりがそう違うものになるとも思えません。
ただ、それでも私達はスポークシェーブやカンナを使って一枚の木を削りだして作る「効率の悪い」昔の技法にこだわっています。その方が楽しいですし、木とゆっくり対話する時間も得られます。それに一つ一つが違うものを作るのですから、このほうが結局早いのですね。